予備校界隈や私立高校ではもちろん、最近公立の高校でも授業で習うという
スラッシュリーディング
あなたも聞いたことありませんか?
The man / who I met yesterday /was a teacher, / who lives near here.
テキトーの例文を作りました。露骨にやりましたが、こんな具合に文中にスラッシュを入れて読みやすくするやつです。
これ、
絶対にヤメてください
お願いします。
何故スラッシュリーディングがダメなのか
そもそもスラッシュリーディングをしたところで読めるようにはならない
スラッシュリーディングって何のためのものだと思いますか。何のために使うかまで説明して教えている人が少ないのか、はたまた説明を受ける側がその目的を忘れてしまっているのか、その使うべきタイミングを理解していない人が多いです。
例えば
It comes near to stating the obvious that all languages have developed to express the needs of their users, and that in a sense all languages are equal.
(The Cambridge Encyclopedia of Language by D Crystal, 1997, Cambridge University Press)
(訳 : 殆ど明らかなことを言うのに近いが、すべての言語は発展を続け話者の要求を表現するようになって来たものであり、この意味においてすべての言語は平等なのである。)
この文章が読めないとしましょう。
文章が読めないとはどういう状況でしょうか。単語がわからないのは論外としますが、やはり一番の原因は文構造、つまり文法が把握できないというところにあるでしょう。
文構造をしっかり見抜く力のある人がスラッシュリーディングを使うと大体こんな感じになります。
It comes near to stating the obvious that / all languages have developed / to express the needs of their users, /and that / in a sense all languages are equal.
一方で文法が理解できていない人が使うとどうなるか。例えばこんな感じ。
It comes near / to stating the obvious that all languages have / developed to express the needs / of their users, / and that in a sense / all languages are equal.
これだけ見てもらえればわかるとは思いますが
文法が理解できていない人がスラッシュリーディングを使うのは寧ろ逆効果
なんです。こんな風に文法を完全無視ともいえる状態にスラッシュを入れられてしまうと、そもそも読めない人はもちろん読めませんし、仮に読める人が読んだとしても逆に読めなくなってしまうでしょう。私もこんな状態で出されるとかえって読めなくなると思います。
じゃあスラッシュリーディングなしでどうすんの?
文構造を把握する練習
これに尽きます。
主語は100%名詞、名詞につくものは形容詞と関係代名詞、形容詞につくのは副詞だけ、関係代名詞が来たらその次に来るのは名詞句か動詞句から始まる不完全文で…… andが結びつけるのは名詞と名詞、形容詞と形容詞、動詞と動詞、副詞と副詞、文と文……
こんな具合で頭の中で
文法を理解できている人だけがスラッシュリーディングを使うことが許される
んです。
これについてはそのうち記事を書くかもしれません。
スラッシュリーディングをする意味は?
出来る人が更に出来るようになる、だけ
タイトルの通りです。スラッシュリーディングの意味は出来る人が更に出来るようになるためのもの、もっと詳しく言えば
元々文章を完璧に読める人が、その読むスピードを上げる
このための道具がスラッシュリーディングなんです。
100点とれる人が楽して100点をとるための道具であって、
40点、50点しかとれない人の成績が上がる
魔法の道具などでは断じてありえない!!
んです。
まとめ
英語の成績が良くない、そう思うあなた。
スラッシュリーディングは絶対にするな!
そして文法をもっと勉強し、もっと文を読め!!
そういうお話でした。
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