4つ覚えるだけでわかる「古典文法 助動詞接続」

国語

古典文法を教えていると、多くの学生が躓くのが

助動詞の接続

しかし私はこれ、ほとんどつまずかずに済みました。
というのも、とても簡単な覚え方を、予備校の先生でも有名な参考書でもなく、高校1年生のときの担任の先生が教えてくれたのです!

というわけで

古典文法を教える場から 5年 離れていてる
この覚え方を初めて教えてもらったのは 10年前 な私

なのに!!

まだ覚えている!!超〜〜〜〜簡単な覚え方!!!

古典文法 助動詞接続とは

Q.そもそも助動詞の接続って何か?

助動詞が文中や会話の中で出てくるときは

「用言(活用するやつ) + 助動詞」

このように用言の後ろに接続する形で出てきます。
(英語の助動詞が後ろに動詞を伴うのと似てる)

 

この用言の活用形(※)が
「未然・連用・終止・連体・已然・命令」
のどれになるのかが、”助動詞によって異なる”という
受験生にとってはめんどくさいことが起きます。
(全部一緒だったら良いのにね)

(※)活用は、後ろに続く言葉に繋がりやすくするために、言葉尻が変わること。活用については別記事を書くのでそちらを見てね

 

なので、「XXという助動詞の前には、どの活用形が来るのか」を覚えないと、問題が解けない。
これが高校古典での助動詞の接続。

 

だけど、高校古典で出てくる助動詞の数は、なんと約30個!!!
全部一つ一つ覚えておくのは、流石に非効率、、、だったら英単語を覚えたい、、、

 

覚え方

では本題の3つの覚えることを言います

  1. 未然 さらやま
  2. 連用 たなか
  3. リカちゃん サ未四已(さみしい)
  4. らむ・らし・めり・べし・まじ・なり 終ラ体

はい。これだけ。これだけ覚えましょう!

でも、これだけでは意味がわからないのでそれぞれ解説に入ります

 

 

1)【未然】さらやま(皿山さん)

未然は「さらやま(皿山さん)」と覚えましょう。

というのも助動詞で未然形に接続するものは、全て

「さ行」「ら行」「や行」「ま行」の文字で始まるのです(濁音含む)

ら や ま は な た か あ → さらやま

 

ちなみに未然形接続になる助動詞は、以下

  • ず(打消) →さ行
  • む・むず(推量) →ま行
  • じ(打消推量) →さ行
  • る・らる(受身) →ら行
  • す・さす・しむ(使役) →さ行
  • まし(反実仮想) →ま行
  • まほし(希望) →ま行

ほらね?

 

、、、え?「や行」がないって、気にするな、気のせいだ。

 

2)【連用】たなか(田中くん)

連用は「たなか(田中くん)」と覚えましょう。

理由もわかりますね?そう、助動詞で連用形に接続するものは、全て

「た行」「な行」「か行」の文字で始まります(濁音含む)

わ ら や ま は な た あ → たなか

ちなみに連用形接続になる助動詞は、以下

  • つ(完了) →た行
  • ぬ(完了) →な行
  • たり(完了) →た行
  • き(過去) →か行
  • けり(過去) →か行
  • けむ(過去推量) →か行
  • たし(希望) →た行

今回はきれいにハマりましたね。

 

「じゃあこれで、他の行も覚えれば完璧だ!」
と、言いたいところですが残念ながら、規則というのは例外の多いもので。

未然形はすべて、さ行・ら行・や行・ま行 ではあっても
さ行・ら行・や行・ま行 はすべて、未然形 ではないのです。

というわけで、例外2つを覚えましょう

 

3)リカちゃん サ未四已(さみしい)

「リカさみしい」「さみしい リカ」 と覚えても良いです。
リカちゃん人形をイメージして覚えましょう。

ここで言うリカ とは

  • 「り(完了)」

のことで、連用形接続「たり(完了)」の仲間です。
これまでのルールだと「ら行→さらやま→未然形」なのですが
これやなかなか不規則で

行変格活用 の 然形」 

段活用 の 然形」 にのみ接続します。

で、サ未四已(さみしい)。リカさみしい。ということ。
これはもう覚えるだけ!

 

※ちなみに、この2パターンにしか接続しないのは、「り(完了)」の上には必ず「エ段」の音が接続するから。確実に「エ段の音」なのは、この2パターンのみ

 

4)【終止(ラ変連体)】♪らむ・らし・めり・べし・まじ・なり

最後!例外2つめ!
これが一番の難関!!!これが覚えられたらもう完璧!

では覚え方の前に残るはこの6つ

  • らむ(現在推量)
  • らし(推定)
  • めり(推定)
  • べし(なんかもう色々)
  • まじ(べしの打ち消し)
  • なり(伝聞・推定)

この6つは、替え歌で覚えます、、、
(高校生のときはめっちゃ抵抗あった、、、)

 

さて、肝心な歌ですが、皆さん
「汽車ぽっぽ」の歌って聞いたことありますか?

はい。ピンと来ない方が95%くらいだと思います。自分もこの覚え方を教えてもらったときに初めて知ったので、、、

 

では、知らない方は以下の動画を見てみましょう

参考動画(汽車の唄 28秒から37秒まで 歌詞 )

童謡 汽車ぽっぽ

 

 

はい、見ましたか。

この中の

「♪汽車 汽車 ぽっぽ ぽっぽ しゅっぽ しゅっぽ しゅっぽっぽ、僕らを乗せて しゅっぽ しゅっぽ しゅっぽっぽ 」

の部分を

「♪らむ らし めり べし まじ なり 終ラ体(終止形・ラ変連体形)、断定じゃなくて、伝聞・推定のなり」

と、歌いましょう!はい!歌って!さあ!早く!!

 

〜解説〜

この6つの助動詞は。基本的に「終止形」に接続します。

しかし、ラ変(あり、をり、はべり、いまそかり等)の単語に限り、「連体形」に接続します。

これはラ変の特徴、「終止形なのに、ウ段の音で終わらない」を踏まえるとわかるのですが
この6つの助動詞は、上に「ウ段の音」が来てほしい助動詞なのです。
なので、こんな形で例外的になり、そして替え歌まで歌う羽目に。

 

ちなみに、「断定じゃなくて、伝聞推定の〜〜」という歌詞
これは今回の記事の内容から、少しはみ出るのですが
「なり」という助動詞は、2つあり(この見極めはよく問題にでる)
ここでいう「なり」は「なり(断定)」じゃなくて「なり(伝聞推定)」ですよ
という意味です。せっかくなので、ここまで含めて歌詞を覚えておきましょう。
一番大事なときに、自分を助けてくれるので。

じゃあ最後に改めて3回歌いましょう。

「♪らむ らし めり べし まじ なり 終ラ体(終止形・ラ変連体形)、断定じゃなくて、伝聞・推定のなり」×3

 

考える順番

ではせっかく覚えたので、使えるようにしておきましょう。

どの活用形と接続するかわからない助動詞と出くわしたら
以下のフローチャートの順番で考えましょう。

古典活用形フローチャート

 

まとめ

  • 未然 さらやま
  • 連用 たなか
  • リカちゃん サ未四已(さみしい)
  • ♪(汽車の歌)らむ・らし・めり・べし・まじ・なり 終ラ体

学校の授業1コマ分よりも、予備校の授業1コマ分よりも、圧倒的に短かく終わったのではないですか?

これであなたも、『古典文法 助動詞接続』は完璧!周りに自慢しちゃおう!

※ほんとはあと、連体形・体言に接続する助動詞
というのが3つほどあるのですが
話がややこしくなるので、それはこの記事の内容を完璧に覚えたら、調べてみてください!

 

以上!終わり!

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